アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター

 『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』を丸の内ピカデリー ドルビーシネマで鑑賞しました。 2022年9月23日~10月6日までの限定公開です。




 『アバター』は元々観たことがない作品だったのですが、凄すぎてあっという間の3時間でした。

 今まで観たことがある3D映画というのはどうしても2Dと比べてボヤケた感じがして苦手でした。私自身の視力が右1.0左0.3と左右差が大きいため、3D作品が苦手なのは仕方ないのかなと思ってました。でも今回の『アバター:3Dリマスター』はボヤケた感じも滲んだ感じも全然なくて、本当にクリアな映像で驚きました。3Dが苦手なのは視力のせいではなく映像クオリティの問題だったようです。

 通常映画というのは一秒間に24コマで作られています。フィルムからデジタル撮影になってもこれは変わりません。では3Dは?というと、右12コマ左12コマで作られたものを合成して24コマにしているんです。一秒間に12コマしかなくてスムーズな映像になるのか?というと、なりません。コマとコマの中間コマを補完する技術によってカクカクになるのを補っていたりします。

 では『アバター:3Dリマスター』は?というと、ドルビーシネマとIMAXレーザーの一部劇場では右24コマ左24コマを合成して48コマでのハイフレームレート(HFR)での上映が行われているんです! 3Dの4kリマスターとHFR上映というのを初めて観ましたが、ここまで既存の3Dと違うのかと驚きました。丸の内ピカデリー ドルビーシネマを選んだ理由もそれで、HFRかつ9.1ch上映なのは東京では丸ピカだけでした。



 MCUなどはIMAX3D規格の作品をコンスタントに公開していますが、解像感においてはどうしても2Dに劣ります。MCUですらこの現状ですから、"3Dのブーム"は既にブームが去ったと考える人もいます。

 しかしジェームズ・キャメロンは3Dが定着しないのはブームが去ったからではなく、未だに3D本来のポテンシャルを充分に活かした作品が無いからだという意味のことを言っています。そして何故作られないのかというと、それは制作コストの問題であるとも言っています。今回の『アバター:3Dリマスター』はHFRなどの制作コストをかけることさえ出来れば、今まで観たことが無い別次元の映像が生み出せることを見事に証明してくれました。




 映像スペックの話ばかりしてきましたが、映画の内容ももちろん面白かったです。特に日本人であればニヤリとする描写がたくさんあって、アーマードコアやナウシカやF.S.Sが好きな人はかなり楽しめると思います。

 私が大好きな作品の一つにジェームズ・キャメロンが同じく監督を務めた『エイリアン2』があるのですが、異星に降り立つ地球人の博士がシガニー・ウィーバーというところでもう最高でした。ちなみに『アバター』作中でシガニー・ウィーバーはヘビースモーカーの役なのですが、このタバコはCGで作りだしたもので実際には爪楊枝だったそうです。観ていて全然分からなかったのですが、凄すぎですよね!


 ここまで『アバター:3Dリマスター』の素晴らしい映像について書いてきましたが、実際上映中はこれ以上ないくらい最高の映像体験に感動していました。しかし、そんな思いも上映直後に流れた『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の特別映像(一部劇場のみ)をみてぶっ飛んでしまいました。それまで最高と思っていた映像体験がどこかに行ってしまう、別次元のさらに別次元というものを見せつけられました。

 ちょっとオーバーなくらい誉めましたが、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の映像クオリティはそのくらい凄かったです。2022年12月の公開が本当に楽しみです。




 

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