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シン・ウルトラマン

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 『シン・ウルトラマン』をアマゾンのプライムビデオにて鑑賞しました。劇場公開時にはグラシネIMAXで観ましたが、それ以来の鑑賞となります。  『シン・ウルトラマン』がプライムビデオで公開されてから丸2日くらい経ってこのブログを書いていますが、SNSを見ると結構ビミョーだったという評価を多く見かけます。何でかな?と思ったのですが、恐らく庵野監督の『シン・ゴジラ』みたいな作品を期待した人にとっては、期待外れに感じたのではないでしょうか?  『シン・ゴジラ』はどういう映画かというと、一言で言えば "怪獣パニック映画" だと思います。では『シン・ウルトラマン』は?というと、"ウルトラマンをパロディしたコメディ映画" というのが私の観た印象です。シリアスなパニック映画である『シン・ゴジラ』を期待して観ると、つまらなく感じてしまうのも仕方が無いかもしれません。 Amazon.co.jp: シン・ウルトラマンを観る | Prime Video  この『シン・ゴジラ』を期待して『シン・ウルトラマン』にガッカリするというレビューは、劇場公開当時から結構見られました。ただ公開当時のほうが少しだけマシな事情もありまして、それは『シン・ウルトラマン』公開の3ヶ月前に『大怪獣のあとしまつ』という稀にみる低評価作品があったことです。  『大怪獣のあとしまつ』を悪く書くつもりはありませんが、稀にみるほど低評価の怪獣映画であったため『シン・ウルトラマン』のハードルが大分下がったのは事実です。『シン・ゴジラ』と比較して『シン・ウルトラマン』を観るのではなく、『大怪獣のあとしまつ』と比較して『シン・ウルトラマン』を観れば必然的にそうなってしまいます。 Amazon.co.jp: 大怪獣のあとしまつを観る | Prime Video  あともう一つ、劇場公開当時は "メフィラス構文" というものがSNSで流行りました。"メフィラス構文" がどんなものかはネタバレになるので書きませんが、SNSでブームになり高評価だった作品が、ブームが去ってから配信されると低評価に変わるということがあるのかもしれません。やはり旬の作品は、出来るだけ映画館で観たほうが楽しめるということを再確認しました。  『シン・ウルトラマン』の良さはマニアック

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー

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 『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』を鑑賞しました。劇場はユナイテッドシネマとしまえんのスクリーン8、IMAXレーザー3Dです。  この『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』はMCU劇場作品として30作目、MCUフェーズ4のラストを飾る作品です。感想を一言で言うなら"大人向けのMCU"という感じで、『エターナルズ』が好きな人ならかなり楽しめる作品なんじゃないかと思います!  2020年に43歳という若さで亡くなったチャドウィック・ボーズマンの追悼というのが映画を通して描かれていますが、観ていてジーンとするシーンがたくさんあります。                                  MCUフェーズ4は"エンドゲーム後の世界"、つまりアベンジャーズというヒーロー達が世界を救った後の世界を舞台としていますが、ブラックパンサーを演じたチャドウィック・ボーズマンの死という事実は新たなフェーズに進む前にキチンと描かなければならないテーマだったのだと思います。  SNS等でたまに低評価レビューも見かけますが、"追悼"という重たいテーマが合わなかったことが原因じゃないかと思います。単純明快なアクションヒーロー映画を期待すると少し違うように感じるのかもしれません。  あともう一つ気になったのが、IMAXによる画面拡張のある作品ですが、画面が広がることの恩恵はそこまで感じられなかったです。意識して観ないと通常画角なのかIMAX拡張なのか気づかないくらいでした。これから観に行く人は画面よりも音響重視でスクリーンを選ぶのがオススメです。  

秒速5センチメートル(新海誠IMAX映画祭)

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  『秒速5センチメートル』をグランドシネマサンシャインIMAXレーザーGTにて鑑賞しました。新海誠作品を観たのは今回が初めてです。  2022年11月11日に新海誠最新作『すずめの戸締り』が公開されるのを記念して、『秒速5センチメートル』、『君の名は。』、『天気の子』の3作品がリバイバル上映されるイベントが「新海誠IMAX映画祭」として行われました。  3作品のなかでも『秒速5センチメートル』はIMAX初上映とのことです。この作品は全3話の連作形式のアニメとなっているので、それぞれレビューしたいと思います。  まず第1話『桜花抄』ですが、これが新海誠初鑑賞で予備知識も無かったので、こんなにじっくりと見せる作風なんだな~と驚きました。昔のゲーム機や駅の風景の書き込みがセルアニメっぽくて良かったです。ここがCGっぽいとかなりシラケてしまうところなので。電車の中で時間が悪意を持ってゆっくりと流れていくシーンなどは、息苦しいほどの閉塞感が伝わってきて映画館で観て良かったと思える瞬間でした。  次に第2話『コスモナウト』ですが、こちらは舞台設定がとても良いですね!種子島に行ってみたいです。舞台が種子島ということで、物語の象徴的にロケットが発射されるシーンがあるのですが、爆音を上げながら大空を切り裂くようにロケットが発射されるシーンはグラシネIMAXのビッグスクリーンにとても映えます。これも大満足で観に来て良かったと思います。  最後に第3話『秒速5センチメートル』です。これは…うーんな内容ですね。この作品が賛否真っ二つな理由が良く分かりました。この3話がそれまでとあまりにも落差のある展開であるため、1,2話までの美しいストーリーが主人公の妄想であるように思えてしまいます。良くも悪くも観ている人にトラウマを植え付ける"これが新海誠か"と思わざるおえない展開でした。  全部見終わった感想として、この物語が好きになるかどうかは人それぞれだと思います。ただ、新海誠の力量を見せつけた作品であることは間違いありません。この後の大ヒット作『君の名は。』にもかなり興味が湧いてきましたので、チャンスがあれば劇場で観てみたいですね。 Amazon.co.jp: 秒速5センチメートルを観る | Prime Video

コードネーム U.N.C.L.E.

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  Netflixで『 コードネーム U.N.C.L.E. 』を視聴しました。監督は『スナッチ』や『ファイト・クラブ』のガイ・リッチーで、主演は『マン・オブ・スティール』のヘンリー・カヴィル。エリザベス・デビッキやヒュー・グラントなども出演していて、デビッド・ベッカムもカメオ出演している作品です。  この作品の特徴というか感想なのですが、作品全編に渡って音楽がオシャレです。スパイアクション映画なので、分かりやすく例えるなら "007 + ルパン三世" といった感じでしょうか。  鑑賞後に知ったのですが、『 コードネーム U.N.C.L.E. 』は1964~68年の『0011ナポレオン・ソロ』という海外ドラマのリメイク作品なんですね。英語のタイトルは1964年版も2015年版も同じく『The Man from U.N.C.L.E.』です。007シリーズの最初の映画である『007/ドクター・ノオ』は1962年ですからスパイ物の古典の一つと言えるかもしれません。  裏切りやどんでん返し連続するストーリーで大変面白かったのですが、一番気になったのはエリザベス・デビッキの出演シーンです。エリザベス・デビッキといえば『TENET』のキャット役のインパクトが凄かったですが、『 コードネーム U.N.C.L.E. 』ではそっくりのシーンがあるんです。  上の画像の左から二番目がエリザベス・デビッキです。『TENET』を観た人なら分かると思いますが、名前の無い男とキャットがボートでクルーザーに向かうシーンとかなり似ています。もちろんパクリだとか、そういうことを言うつもりはありません。ただ、クリストファー・ノーラン監督が『 コードネーム U.N.C.L.E. 』を観たことでキャット役のシーンを着想したことは恐らく間違いないと思います。  他にもデビッド・ベッカムがどこにカメオ出演しているのか探してみたり、楽しめる要素がたくさんあります。未見の人はネタバレを見る前にぜひ鑑賞してみて下さい。 Amazon.co.jp: コードネームU.N.C.L.E.(字幕版)を観る | Prime Video

夏へのトンネル、さよならの出口

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 『夏へのトンネル、さよならの出口』 をTOHOシネマズ池袋にて鑑賞しました。SNSで話題の良作アニメです。  ポスターを一見すると、青空をバックに中高生の男女が佇んでいる構図のため "新海誠っぽい" という印象を持つ人が多いと思います。でも逆に、むしろこのポスターで損してるな~というのが私の感想です。  『夏へのトンネル、さよならの出口』はSNSでは "恋愛版インターステラー" と呼ばれていて、少しずつジワジワと評価を上げている作品です。『インターステラー』を未見の人もいるでしょうから内容には触れませんが、『ダークナイト』のクリストファー・ノーラン監督が手がけた宇宙モノの傑作です。 2020年9月にフルサイズIMAXで『インターステラー』が限定上映されました  私もクリストファー・ノーランのイチファンとして "恋愛版インターステラー" と聞いては観に行かないわけにいかないと思い、すぐにチケットを購入しました。そのかいあってなかなか楽しめましたしけっこう感動しました。良い作品を教えてくれてSNSに感謝ですね!  殆どのシーンを主演2人で回していくストーリー展開で、かつ主演2人が声優ではないのは正直どうだろう?と思ったのですが、実際声の演技は上手いとは言えないところもありましたが、それを上手に活かして作られているように感じました。田口智久監督によると、先に声の収録を済ませておいてその声に合わせてアニメのキャラクターを作り上げていったそうです。声に感情を乗せる技量がないことで、主人公の絶望が逆説的に伝わってくる上手い演出だと思いました。  ストーリー、キャラクター、グラフィック、音楽など全て良かったのですが、カメラワークだけは唯一イマイチに感じました。主題となるキャラにピントを合わせて周囲のキャラは一眼レフカメラのようにボカすという手法を多用するのですが、これが不自然なシーンが多かったです。教室内で話してるキャラがいれば視聴者は自然にそちらを見ますが、主役ではないためボケている、というカメラワークがちょっとダメでした。観ている人間の視線の移動というものを置き去りにしている印象です。  ちょっとネガティブなことも書きましたが、観て損のない泣ける良作アニメです。例えば『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』が好きな人に

アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター

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 『アバター:ジェームズ・キャメロン 3Dリマスター』を丸の内ピカデリー ドルビーシネマで鑑賞しました。 2022年9月23日~10月6日までの限定公開です。  『アバター』は元々観たことがない作品だったのですが、凄すぎてあっという間の3時間でした。  今まで観たことがある3D映画というのはどうしても2Dと比べてボヤケた感じがして苦手でした。私自身の視力が右1.0左0.3と左右差が大きいため、3D作品が苦手なのは仕方ないのかなと思ってました。でも今回の『アバター:3Dリマスター』はボヤケた感じも滲んだ感じも全然なくて、本当にクリアな映像で驚きました。3Dが苦手なのは視力のせいではなく映像クオリティの問題だったようです。  通常映画というのは一秒間に24コマで作られています。フィルムからデジタル撮影になってもこれは変わりません。では3Dは?というと、右12コマ左12コマで作られたものを合成して24コマにしているんです。一秒間に12コマしかなくてスムーズな映像になるのか?というと、なりません。コマとコマの中間コマを補完する技術によってカクカクになるのを補っていたりします。  では『アバター:3Dリマスター』は?というと、ドルビーシネマとIMAXレーザーの一部劇場では右24コマ左24コマを合成して48コマでのハイフレームレート(HFR)での上映が行われているんです! 3Dの4kリマスターとHFR上映というのを初めて観ましたが、ここまで既存の3Dと違うのかと驚きました。丸の内ピカデリー ドルビーシネマを選んだ理由もそれで、HFRかつ9.1ch上映なのは東京では丸ピカだけでした。  MCUなどはIMAX3D規格の作品をコンスタントに公開していますが、解像感においてはどうしても2Dに劣ります。MCUですらこの現状ですから、"3Dのブーム"は既にブームが去ったと考える人もいます。  しかしジェームズ・キャメロンは3Dが定着しないのはブームが去ったからではなく、未だに3D本来のポテンシャルを充分に活かした作品が無いからだという意味のことを言っています。そして何故作られないのかというと、それは制作コストの問題であるとも言っています。今回の『アバター:3Dリマスター』はHFRなどの制作コストをかけることさえ出来れば、今まで観たことが無い別次元の映像が生み出せることを

グレイマン

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  Netflixで『グレイマン』を視聴しました。  この作品は『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリング、『キャプテン・アメリカ』のクリス・エヴァンス、そして『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で短い出演ながら強烈な印象を残したアナ・デ・アルマスが共演していて、さらに『アベンジャーズ/エンドゲーム』のルッソ兄弟が監督を務めるアクション映画です。      まず主役のライアン・ゴズリングですが良いです! 『ラ・ラ・ランド』で売れないジャズピアニスト役を演じた人とは思えないくらいマッチョな体つきに変貌しています。でもなんとなくアーティストっぽい雰囲気を纏っていて、殺し屋でありながら独特の空気感が良いですね!  次にクリス・エヴァンスですが、口ひげにポロシャツに白ズボンを履いて「誰?」という姿に変身して悪役を怪演しています、カッコ良いクリス・エヴァンスを期待するなら観ないほうが良いかもしれませんが、本人はサイコな悪役を楽しんで演じてるようです。  そしてアナ・デ・アルマスはというと、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の時と違ってほぼ出ずっぱりなので、彼女のファンは大満足の内容だと思います。007のような小悪魔的な可愛らしい役ではなく、化粧っ気のないメイクで銃もって暴れまくっています。  映画の内容的にはスピード感とメイン3人の魅力で押し切ってしまうような感じのアクション映画です。ただ、もしこのあと続編が作られずに単発で終わるとしたら、ストーリーの伏線回収がだいぶ置き去りになってしまうように思います。もしかしたらスピード感を優先しすぎるあまり、ストーリーをかなり端折ってしまったのかもしれません。 …と思ったらNetflix公式から続編決定のアナウンスがありました! さらにスピンオフも制作されるとのことでこれは朗報ですね。  あともう一つ、エンドクレジットの映像がアベンジャーズシリーズと似ているのもちょっとイマイチに感じました。監督がルッソ兄弟だからなのかな?とどうしても思ってしまうので。  映画は面白かったですし観る価値は充分にある作品です。メイン3人のファンの人にはオススメです。